鉄分

妊娠中は、貧血に気を配り鉄分を多く採ったほうがいいと言う話を良く聞くのではないでしょうか?
しかし鉄分は妊娠中とは言っても、初期は妊娠前とそんなに大きく変わるほど必要ではありません。妊娠中に体内で鉄分を多く必要とするのは、中期以降から産褥期(分娩後〜妊娠前の状態に体が戻るまで。一般に6〜8週間。)です。鉄分が足りなくなると、貧血になり、お腹の赤ちゃんへの血液の供給が少なくなったり、分娩時に出血が多くなったりします。安心して妊娠後期と分娩を迎えるために、鉄分のこと、お勉強しておきましょう!

妊娠中はなぜ鉄分が必要なの?

妊娠中は、たくさんの血液が必要になるため、血液の中で酸素を運ぶヘモグロビンの量が増えます。ヘモグロビンを作り出すために、たくさんの鉄分が必要となります。また、お腹の赤ちゃんにも鉄分を送り出すため、より多くの鉄分が必要となるのです。
このため後期には、ママの身体に蓄えられていた鉄分が足りなくなり、後期の妊婦さんの約4割が貧血になると言われています。
鉄分が不足すると、疲れやすくなったり、貧血(脳貧血)を起こしやすくなります。
めまいがして倒れたりも大変なことですが、先に説明したとおり、お腹の赤ちゃんへの栄養を送る血液が少なくなったり、分娩時に出血が多くなったり、産後の回復も悪くなるので、貧血には気をつけなければいけません。
貧血の検査は、妊婦検診の血液検査でわかるので、定期健診の際に貧血が分かれば鉄剤が処方されたり、食事の指導があります。
しかし、だからと言って安心せずに、妊娠中期以降は、鉄分を多く取れる食事を心がけるようにしましょう。

貧血を起こしてしまったら・・

妊娠すると、鉄分不足以外でも、ホルモンバランスの変化で自律神経が不安定になったり、お腹に血液が集まっているので急に立ち上がったりすると、めまいや、たちくらみなどの貧血(脳貧血)を起こしやすくなります。
脳貧血を起こしてしまったら、座ったり横になって休むなどして静かに休みましょう。
バスや電車の中など外出中は、少しでもめまいがするような感覚があったりしたら、イスなどに座ったりしゃがんで休むようにしましょう。倒れてお腹をぶつけたりしたら大変です。無理をせずに行動するようにしましょう。

鉄分と言えばレバー?レバーは苦手なのに…

鉄分の多い食べ物といえば、レバーが有名ですね。しかし、レバーは苦手な人も多く、調理もあまり簡単とはいえませんよね。レバーなど、動物性のものに含まれている鉄分は「ヘム鉄」といい、植物性のものに含まれる「非ヘム鉄」より、吸収が良いためそういわれていますが、レバー以外にも鉄分を多く含む食事はたくさんあります。しじみ、あさりなどの貝類、ひじき、ほうれん草などの緑黄色野菜、味噌や納豆などの大豆製品などに多く含まれています。三食バランスよく食べる中で、鉄分の多い食品も一緒にバランスよく摂りましょう。また、ビタミンCには鉄分の吸収をよくする効果もあるので、ビタミンCを多く含む食品も、そして赤血球を作り出す時に必要な、葉酸、ビタミンB6、B12もバランスよく摂りましょう。(肉・魚貝類、卵、乳製品、豆類、野菜、果物をバランスよく食べることでOKです。)

鉄分を含む食品

妊娠中に必要な鉄分の目安は、一日15mg、妊娠後期には一日20mgです。(通常は、成人 男性10mg、女性12mg)鉄分は、ひじき、レバー、ほうれん草、切り干し大根などに多く含まれています。


乾燥ひじき(5g)

2.8mg

豚レバー(50g) 6.5mg
鳥レバー(50g) 4.5mg
しじみ(30g) 3.0mg
切り干し大根(20g) 1.9mg

このほか、赤身魚、魚の血合い、ヤツメウナギ、卵黄などに含まれています。

しかし、鉄はとても吸収率が悪くヘム鉄で2割〜3割、非ヘム鉄で1割程度しか吸収されません。
鉄分の吸収を良くするには、ビタミンCやたんぱく質とともに摂取したり、酢やかんきつ類で胃酸の分泌を促すのが効果的です。

鉄剤を処方されたら…鉄剤の飲み方

妊婦検診の結果、貧血がわかった場合、薬で改善する必要がある場合は鉄剤が処方されます。処方される鉄剤は、1錠で50mg〜100mgの鉄分が含まれています。
以前は、鉄剤の吸収を良くするために食前に飲むことが勧められていましたが、鉄剤を食前に摂取すると、胃腸の粘膜を刺激するため、つわりのように吐き気や胃がムカムカする、便秘や下痢をするという副作用が出ることがあり、最近では食後の摂取で構わないと言われています。
また、お茶や清涼飲料水を飲むと鉄の吸収を悪くするなどといわれますが、その量はごく微量だとも言われています。
鉄剤を飲むと、便が真っ黒になってビックリするかもしれませんが、これは体内に吸収されずに排出された鉄の色ですので問題ありません。

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